ブログ
2026.11.06 データベース

業務システムの保守費をコストダウンするには?内訳と比較の進め方

「来年度に向けて、業務システムの保守費を見直したい」。請求書の月額を見ても、どの対応を残し、何を変えられるのかは読み取れません。問い合わせや更新の費用がまとまっていたり、改修だけが別の見積書になっていたりするためです。

保守費のコストダウンは、必要な対応を決め、今後発生する費用を同じ条件で並べるところから始まります。今のシステムを続ける案、契約範囲を見直す案、作り直す案を比べ、支出と社内作業の両方を確かめます。

この記事では、契約書と請求書から費用を分ける方法と、PigeonCloudに作り直す場合の比較項目を整理します。作り直しで費用が下がるかは、自社の要件と切り替え時の負担によって変わります。

この記事でわかること

  • 保守料・改修費・サーバー費・社内作業の分け方
  • 必要な保守を残したうえで、継続と作り直しを比べる方法
  • 初期費用と切り替え時の費用を含めた比較表の作り方

保守費の内訳を、契約と請求項目から分ける

保守料、改修費、サーバー費、社内担当者の時間に費用項目を分ける図

月額保守と年間保守は、含まれる対応を確かめる

月額保守や年間保守という名称だけで、対応内容は決まりません。契約書の対象業務と請求項目を照合し、問い合わせ、障害対応、更新のどこまでが含まれるかを書き出します。月額と年額の請求がある場合は、それぞれが別の作業なのか、同じ契約の支払区分なのかも確認します。

以下は説明用の仮想例です。来年度の予算説明に向け、月額保守の請求書と帳票変更の見積書を並べます。帳票変更が保守料に含まれるかを確かめ、別費用なら比較表でも行を分けます。

改修費とサーバー費は、保守料との重なりを確認する

入力項目の変更や帳票の修正は、契約内で対応する場合と、改修として見積もる場合があります。過去の見積書から依頼内容を拾い、定額内の対応と追加費用が発生した対応を分けると、今後の変更を相談しやすくなります。

サーバー費も同様です。保守料に含まれる費用と、自社が別に払っている費用を確認します。同じサーバー費を保守料と別項目の両方に入れると、比較額が重なります。請求元だけで分けず、何の対価かを見て計上先をそろえます。

社内の担当者が使う時間も書き出す

依頼内容の整理、変更後の動作確認、利用者への説明には社内の時間も必要です。請求書に出ない作業を省くと、委託費を減らした後に誰が何を担うのかが見えなくなります。現金支出とは別の欄に、作業内容と担当を記録します。

担当者の時間を金額に置き換える場合は、社内で使う算定基準を両案にそろえます。基準が決まっていなければ、先に作業の内容を残します。根拠のない金額で埋めるより、どの作業が残るかを確かめる方が比較を進められます。

コストダウンの余地は、必要な保守を残して探す

業務を続けるために必要な対応を先に決める

契約を小さくする前に、維持したい対応を決めます。業務中の問い合わせ先、障害が起きた時の支援、更新の対象範囲などです。業務担当者が必要とする条件を聞き、契約上の対応と照らし合わせます。

「障害対応を含む」という記載でも、受付と復旧作業の範囲は確認が必要です。事業者に依頼する作業、自社で判断する内容、別見積もりになる対応を分けておけば、保守料の違いを対応範囲の違いとして説明できます。

現行契約の範囲を見直せるか確認する

利用している機能と依頼履歴を契約の対象に重ね、現在の業務で使う範囲を確かめます。使わなくなった機能があっても、その分の保守料を減らせるかは契約によります。委託先には、対象を変えた場合の費用と、残る対応をセットで確認します。

依頼履歴が少ないことだけで、保守の要否は決められません。更新や障害に備えた対応も含め、必要な範囲を満たす契約として見直せるかを相談します。見積もりや保守条件を依頼時に整理する観点は、ソフトウェア開発を外注する前の確認事項も参考になります。

継続する案と作り直す案を、同じ条件で比べる

利用対象者、必要な機能、比較の開始・終了時点、保守水準をそろえます。片方だけ利用範囲を狭めた比較では、費用差の理由が混ざります。条件をそろえられない部分は、対応の違いとして比較表の横に残します。

現行契約の見直しで必要な対応と費用が両立するなら、継続も候補に残ります。作り直しは、必要な機能を実現できるかと、初期作業を含む負担を確認してから比較する案です。

作り直す場合は、初期費用と継続費用を分ける

クラウド版の利用料と初期セットアップ支援

PigeonCloudのクラウド版は、5ユーザーで月額5,500円(税抜)〜です。最低契約ユーザー数は5ユーザーで、5ユーザーまでは人数に関係なく5,500円(税抜)です。利用料は継続費用の欄に置き、必要な契約人数に応じた条件を確認します。

初期セットアップ支援は、5テーブル作成で8万円(税抜)〜です。利用料とは別項目で、作成範囲やテーブル数により費用が変わり、個別見積もりになります。初期セットアップ支援の対象にデータ移行や教育が含まれるかは、依頼する作業ごとに見積もりの対象を確認します。

標準機能の設定とカスタマイズ開発

標準機能内の設定変更と、要件ごとのカスタマイズ開発は分けて扱います。API連携などの追加開発は、要件ごとの個別見積もりです。現在の機能を書き出し、設定で対応する範囲と、追加開発を相談する範囲を分けておくと、費用の確認先が明確になります。

既存の画面をそのまま再現するのか、業務手順に合わせて構成を変えるのかでも依頼内容が変わります。Accessを使っている場合の対象範囲の整理は、Accessの業務システムを作り直す際の考え方で確認できます。

専用環境・オンプレミスは料金体系を分けて見る

PigeonCloudの提供形態は、クラウド版、専用環境、オンプレミスです。専用環境は要件により個別見積もりとなり、サーバー費用・保守・ライセンスは別途です。クラウド版の利用料を専用環境の費用として転用せず、必要な項目を確認します。

オンプレミス版は、標準構成で初期構築費用80万円〜(税抜)、標準構成で年額ライセンス120万円(税抜)です。年額ライセンスにはセキュリティ更新・不具合修正・保守を含み、サーバー費は別途かかります。初期費用、年額、サーバー費を分けて記載します。

提供形態は社内規程や運用条件とも照合します。選び方の詳細は、クラウド・専用環境・オンプレミスの比較にまとめています。

提供形態と費用の考え方を見る

同じ条件で比べる、保守費の比較表

利用対象者、必要機能、比較期間、保守水準をそろえ、費用と未確認事項を記入する手順の図

次の表は、自社の契約と見積もりを転記するための比較項目です。保守料と利用料では含まれる対応が異なるため、名称だけで置き換えず、それぞれの範囲を添えて使います。

表の上に、両案で必要な機能と保守条件を書きます。問い合わせの受付時間、障害時の支援範囲、更新対象を並べ、条件が異なる部分は費用差と分けて記録します。

項目今のシステムを続ける場合PigeonCloudに作り直す場合
利用人数利用対象者と契約人数同じ利用対象者と必要な契約人数
比較する期間比較の開始・終了時点同じ開始・終了時点
初期費用今後必要な更新・教育など初期セットアップ支援・データ移行・教育・並行稼働に伴う費用
月額または年額月額保守費・年間保守費クラウド版:利用料
専用環境:個別見積もり
オンプレミス:年額ライセンス
変更・改修契約内の変更・個別の改修費標準機能内の設定変更・要件ごとの追加開発
サーバー費契約に含まれる費用・別途負担する費用提供形態ごとに費用と見積もりの対象範囲を確認
社内の担当者の時間依頼整理・確認・利用者対応設定・移行確認・教育・運用管理

現行契約の範囲を見直した見積もりがある場合は、この表を複製し、左列を『契約範囲を見直して続ける場合』に置き換えます。

比較対象は、判断時点以降に発生する費用です。過去に支払った開発費は背景情報として分け、これから支払う保守料や更新費と混ぜません。両案で必要になる作業は両方に記入します。

各金額には、契約書・見積書の該当箇所と適用条件を添えます。未確定項目は『要確認』『要見積もり』とし、確認先と回答期限を記入します。条件が確定した版を社内説明に使います。

各案について、比較期間内に支払う初期費用、継続費用、改修費、切り替え費用を合計します。社内作業は別欄にまとめ、必要な保守条件を満たすかと合わせて判断します。

月額の比較から漏れやすい、切り替え時の費用

並行稼働では、旧契約と新契約が重なる期間を見る

新しいシステムの利用開始と、旧契約の終了が同じ時点になるとは限りません。契約更新日、解約の申出条件、データの確認が終わる時点を並べます。移行中も必要な旧契約の費用は、切り替え案に含めます。

教育では、説明する人と受ける人の時間を見る

教育は操作説明の依頼費だけでは捉えきれません。説明を準備する担当、受講する利用者、社内手順を書き換える担当の作業もあります。切り替え後の問い合わせを誰が受けるかまで決め、社内で確保する時間として残します。

データ移行と、画面・帳票の作り直しを分ける

データを移す作業と、現在の機能を新しい仕組みで使えるようにする作業は分けます。移行対象の整理、取り込み、内容の照合に加え、画面や帳票の作成範囲も確認します。見積書の「移行」にどこまで含むかを確かめると、依頼する側と受ける側の認識をそろえられます。

自社の条件を入れた、保守費の比較表を作る

比較の準備には、現在の契約書、請求項目、改修の見積書を使います。利用人数と必要な機能を添え、今後も残す保守、変更を相談する範囲、社内で担う作業を整理します。費用の記載と根拠資料が対応していれば、社内説明でも前提を確かめられます。

初回相談と概算の比較表の作成は無料です。正式見積もりでは、対象範囲と条件を改めて確認します。利用人数、現在の費用項目、必要な機能をもとに、作り直す場合と並べて検討する材料にします。

保守費の比較表を依頼する(無料)

まとめ

業務システムの保守費は、契約に含まれる対応を分け、必要な保守を残したうえで見直します。継続と作り直しを比べる時は、利用条件と比較期間をそろえ、初期費用、継続費用、切り替え時の費用、社内の時間を並べます。未確認事項を残した比較表から、契約を見直すか、作り直しを詳しく検討するかを判断できます。

よくある質問

保守費の相場だけで、契約を見直せますか?

保守費は契約により異なります。金額に含まれる問い合わせ・障害対応・更新の範囲を確認し、自社で必要な対応を満たす条件で比較します。

月額利用料だけで、作り直すかを決めてよいですか?

初期設定、追加開発、移行、教育、契約が重なる間の費用も確認します。同じ比較期間で、社内作業と必要な保守を含めて判断します。

見積もりが出ていない項目はどう書きますか?

「要確認」「要見積もり」と記し、確認先を添えます。回答が届いたら対象範囲と条件を追記し、両案の計上項目をそろえます。

出典

確認日:2026年11月5日

この記事を書いた人
石川 傑也 Takuya Ishikawa
アクセンチュア株式会社を退職後、AI研究開発者としてAI企業に参画し、LSTM・RNNなどのディープラーニングを用いたシステムの研究開発に従事。 その後、株式会社ロフタルを設立。これまでの経験を活かし、DX・業務改善を進めるサービスPigeonCloudを開発。

データ管理、もっと簡単に。

Excel・Access・スプレッドシートの課題を、ノーコードのWebデータベース「PigeonCloud」が解決します。
月額5,500円〜(5ユーザー)、30日間無料でお試しいただけます。