業務システムの保守費をコストダウンするには?内訳と比較の進め方
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「来年度に向けて、業務システムの保守費を見直したい」。請求書の月額を見ても、どの対応を残し、何を変えられるのかは読み取れません。問い合わせや更新の費用がまとまっていたり、改修だけが別の見積書になっていたりするためです。
保守費のコストダウンは、必要な対応を決め、今後発生する費用を同じ条件で並べるところから始まります。今のシステムを続ける案、契約範囲を見直す案、作り直す案を比べ、支出と社内作業の両方を確かめます。
この記事では、契約書と請求書から費用を分ける方法と、PigeonCloudに作り直す場合の比較項目を整理します。作り直しで費用が下がるかは、自社の要件と切り替え時の負担によって変わります。
この記事でわかること
- 保守料・改修費・サーバー費・社内作業の分け方
- 必要な保守を残したうえで、継続と作り直しを比べる方法
- 初期費用と切り替え時の費用を含めた比較表の作り方
保守費の内訳を、契約と請求項目から分ける

月額保守と年間保守は、含まれる対応を確かめる
月額保守や年間保守という名称だけで、対応内容は決まりません。契約書の対象業務と請求項目を照合し、問い合わせ、障害対応、更新のどこまでが含まれるかを書き出します。月額と年額の請求がある場合は、それぞれが別の作業なのか、同じ契約の支払区分なのかも確認します。
以下は説明用の仮想例です。来年度の予算説明に向け、月額保守の請求書と帳票変更の見積書を並べます。帳票変更が保守料に含まれるかを確かめ、別費用なら比較表でも行を分けます。
改修費とサーバー費は、保守料との重なりを確認する
入力項目の変更や帳票の修正は、契約内で対応する場合と、改修として見積もる場合があります。過去の見積書から依頼内容を拾い、定額内の対応と追加費用が発生した対応を分けると、今後の変更を相談しやすくなります。
サーバー費も同様です。保守料に含まれる費用と、自社が別に払っている費用を確認します。同じサーバー費を保守料と別項目の両方に入れると、比較額が重なります。請求元だけで分けず、何の対価かを見て計上先をそろえます。
社内の担当者が使う時間も書き出す
依頼内容の整理、変更後の動作確認、利用者への説明には社内の時間も必要です。請求書に出ない作業を省くと、委託費を減らした後に誰が何を担うのかが見えなくなります。現金支出とは別の欄に、作業内容と担当を記録します。
担当者の時間を金額に置き換える場合は、社内で使う算定基準を両案にそろえます。基準が決まっていなければ、先に作業の内容を残します。根拠のない金額で埋めるより、どの作業が残るかを確かめる方が比較を進められます。
コストダウンの余地は、必要な保守を残して探す
業務を続けるために必要な対応を先に決める
契約を小さくする前に、維持したい対応を決めます。業務中の問い合わせ先、障害が起きた時の支援、更新の対象範囲などです。業務担当者が必要とする条件を聞き、契約上の対応と照らし合わせます。
「障害対応を含む」という記載でも、受付と復旧作業の範囲は確認が必要です。事業者に依頼する作業、自社で判断する内容、別見積もりになる対応を分けておけば、保守料の違いを対応範囲の違いとして説明できます。
現行契約の範囲を見直せるか確認する
利用している機能と依頼履歴を契約の対象に重ね、現在の業務で使う範囲を確かめます。使わなくなった機能があっても、その分の保守料を減らせるかは契約によります。委託先には、対象を変えた場合の費用と、残る対応をセットで確認します。
依頼履歴が少ないことだけで、保守の要否は決められません。更新や障害に備えた対応も含め、必要な範囲を満たす契約として見直せるかを相談します。見積もりや保守条件を依頼時に整理する観点は、ソフトウェア開発を外注する前の確認事項も参考になります。
継続する案と作り直す案を、同じ条件で比べる
利用対象者、必要な機能、比較の開始・終了時点、保守水準をそろえます。片方だけ利用範囲を狭めた比較では、費用差の理由が混ざります。条件をそろえられない部分は、対応の違いとして比較表の横に残します。
現行契約の見直しで必要な対応と費用が両立するなら、継続も候補に残ります。作り直しは、必要な機能を実現できるかと、初期作業を含む負担を確認してから比較する案です。
作り直す場合は、初期費用と継続費用を分ける
クラウド版の利用料と初期セットアップ支援
PigeonCloudのクラウド版は、5ユーザーで月額5,500円(税抜)〜です。最低契約ユーザー数は5ユーザーで、5ユーザーまでは人数に関係なく5,500円(税抜)です。利用料は継続費用の欄に置き、必要な契約人数に応じた条件を確認します。
初期セットアップ支援は、5テーブル作成で8万円(税抜)〜です。利用料とは別項目で、作成範囲やテーブル数により費用が変わり、個別見積もりになります。初期セットアップ支援の対象にデータ移行や教育が含まれるかは、依頼する作業ごとに見積もりの対象を確認します。
標準機能の設定とカスタマイズ開発
標準機能内の設定変更と、要件ごとのカスタマイズ開発は分けて扱います。API連携などの追加開発は、要件ごとの個別見積もりです。現在の機能を書き出し、設定で対応する範囲と、追加開発を相談する範囲を分けておくと、費用の確認先が明確になります。
既存の画面をそのまま再現するのか、業務手順に合わせて構成を変えるのかでも依頼内容が変わります。Accessを使っている場合の対象範囲の整理は、Accessの業務システムを作り直す際の考え方で確認できます。
専用環境・オンプレミスは料金体系を分けて見る
PigeonCloudの提供形態は、クラウド版、専用環境、オンプレミスです。専用環境は要件により個別見積もりとなり、サーバー費用・保守・ライセンスは別途です。クラウド版の利用料を専用環境の費用として転用せず、必要な項目を確認します。
オンプレミス版は、標準構成で初期構築費用80万円〜(税抜)、標準構成で年額ライセンス120万円(税抜)です。年額ライセンスにはセキュリティ更新・不具合修正・保守を含み、サーバー費は別途かかります。初期費用、年額、サーバー費を分けて記載します。
提供形態は社内規程や運用条件とも照合します。選び方の詳細は、クラウド・専用環境・オンプレミスの比較にまとめています。
同じ条件で比べる、保守費の比較表

次の表は、自社の契約と見積もりを転記するための比較項目です。保守料と利用料では含まれる対応が異なるため、名称だけで置き換えず、それぞれの範囲を添えて使います。
表の上に、両案で必要な機能と保守条件を書きます。問い合わせの受付時間、障害時の支援範囲、更新対象を並べ、条件が異なる部分は費用差と分けて記録します。
| 項目 | 今のシステムを続ける場合 | PigeonCloudに作り直す場合 |
|---|---|---|
| 利用人数 | 利用対象者と契約人数 | 同じ利用対象者と必要な契約人数 |
| 比較する期間 | 比較の開始・終了時点 | 同じ開始・終了時点 |
| 初期費用 | 今後必要な更新・教育など | 初期セットアップ支援・データ移行・教育・並行稼働に伴う費用 |
| 月額または年額 | 月額保守費・年間保守費 | クラウド版:利用料 専用環境:個別見積もり オンプレミス:年額ライセンス |
| 変更・改修 | 契約内の変更・個別の改修費 | 標準機能内の設定変更・要件ごとの追加開発 |
| サーバー費 | 契約に含まれる費用・別途負担する費用 | 提供形態ごとに費用と見積もりの対象範囲を確認 |
| 社内の担当者の時間 | 依頼整理・確認・利用者対応 | 設定・移行確認・教育・運用管理 |
現行契約の範囲を見直した見積もりがある場合は、この表を複製し、左列を『契約範囲を見直して続ける場合』に置き換えます。
比較対象は、判断時点以降に発生する費用です。過去に支払った開発費は背景情報として分け、これから支払う保守料や更新費と混ぜません。両案で必要になる作業は両方に記入します。
各金額には、契約書・見積書の該当箇所と適用条件を添えます。未確定項目は『要確認』『要見積もり』とし、確認先と回答期限を記入します。条件が確定した版を社内説明に使います。
各案について、比較期間内に支払う初期費用、継続費用、改修費、切り替え費用を合計します。社内作業は別欄にまとめ、必要な保守条件を満たすかと合わせて判断します。
月額の比較から漏れやすい、切り替え時の費用
並行稼働では、旧契約と新契約が重なる期間を見る
新しいシステムの利用開始と、旧契約の終了が同じ時点になるとは限りません。契約更新日、解約の申出条件、データの確認が終わる時点を並べます。移行中も必要な旧契約の費用は、切り替え案に含めます。
教育では、説明する人と受ける人の時間を見る
教育は操作説明の依頼費だけでは捉えきれません。説明を準備する担当、受講する利用者、社内手順を書き換える担当の作業もあります。切り替え後の問い合わせを誰が受けるかまで決め、社内で確保する時間として残します。
データ移行と、画面・帳票の作り直しを分ける
データを移す作業と、現在の機能を新しい仕組みで使えるようにする作業は分けます。移行対象の整理、取り込み、内容の照合に加え、画面や帳票の作成範囲も確認します。見積書の「移行」にどこまで含むかを確かめると、依頼する側と受ける側の認識をそろえられます。
自社の条件を入れた、保守費の比較表を作る
比較の準備には、現在の契約書、請求項目、改修の見積書を使います。利用人数と必要な機能を添え、今後も残す保守、変更を相談する範囲、社内で担う作業を整理します。費用の記載と根拠資料が対応していれば、社内説明でも前提を確かめられます。
初回相談と概算の比較表の作成は無料です。正式見積もりでは、対象範囲と条件を改めて確認します。利用人数、現在の費用項目、必要な機能をもとに、作り直す場合と並べて検討する材料にします。
まとめ
業務システムの保守費は、契約に含まれる対応を分け、必要な保守を残したうえで見直します。継続と作り直しを比べる時は、利用条件と比較期間をそろえ、初期費用、継続費用、切り替え時の費用、社内の時間を並べます。未確認事項を残した比較表から、契約を見直すか、作り直しを詳しく検討するかを判断できます。
よくある質問
保守費の相場だけで、契約を見直せますか?
保守費は契約により異なります。金額に含まれる問い合わせ・障害対応・更新の範囲を確認し、自社で必要な対応を満たす条件で比較します。
月額利用料だけで、作り直すかを決めてよいですか?
初期設定、追加開発、移行、教育、契約が重なる間の費用も確認します。同じ比較期間で、社内作業と必要な保守を含めて判断します。
見積もりが出ていない項目はどう書きますか?
「要確認」「要見積もり」と記し、確認先を添えます。回答が届いたら対象範囲と条件を追記し、両案の計上項目をそろえます。
出典
確認日:2026年11月5日
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