【わかりやすく解説】kintone(キントーン)とは?できること・できないこと、導入のメリット・デメリット、向き不向きを解説!
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「kintoneってどういうツールなんだろう」
「kintoneについてわかりやすく教えて欲しい」
このような気持ちを抱えていませんか。
kintoneはサイボウズ株式会社が開発・提供しているクラウドサービスです。
最近はテレビCMや電車の広告などでkintoneの露出が増えており、目にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
しかしkintoneが具体的にどんなツールなのか分からないという方もいると思います。
そこでこの記事では、kintoneのできることやできないこと、導入のメリット・デメリット、向き不向きなどを解説していきます。
初心者でも分かりやすく解説していくので、kintoneに関心のある方はぜひご一読ください!
kintoneとは?わかりやすく解説
kintoneとはサイボウズ株式会社が提供する、業務で使えるアプリを簡単に構築できるクラウドツールです。
2011年からスタートした製品で、導入社数は3万社を突破しています。
kintoneは社内のデータを一元管理できるツールで、さまざまな業務に活用することができます。
たとえば顧客管理やタスク管理、勤怠管理や採用管理、議事録管理やスケジュール管理、日報管理などなど。幅広い分野で活用されています。
また社内のPCだけでなく、自宅のPCやスマホ・タブレット端末からのアクセスも可能。
出張先から入力したり、テレワークに活用したりと、柔軟な働き方を実現することができます。
またkintoneは多くの言語に対応しています。日本語、英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語の切り替えが可能となっています。
海外展開も行っていますし、グローバル展開している企業にも取り入れやすい製品でしょう。
kintoneのプランや価格
kintoneは基本的に、「ライトコース」、「スタンダードコース」、「ワイドコース」のなかからプランを選択します。
なかでも多くの方が選択するのが「スタンダードコース」です。「スタンダードコース」は、kintoneの基本機能に加え、外部連携やプラグインなど、機能の拡張性も兼ね備えています。
なお、「ワイドコース」は大規模企業向けのプランになっており、最小ユーザー数が1,000名となっています。

kintoneのプランと価格
kintoneの仕組み
kintoneには「アプリ」、「レコード」、「フィールド」という3つの要素があります。
まず「アプリ」は、業務ごとのデータをまとめておくところを指します。顧客管理アプリや案件管理アプリ、日報アプリなどといった名称にして、データを管理することができます。
次に「レコード」というのは、アプリ内に登録される1件ごとのデータを表します。例えば、顧客管理アプリなら1人の顧客情報が1レコードとなります。
最後に「フィールド」というのは、レコードを構成する各項目のことを言います。
先ほどの例だと、氏名・住所・メールアドレスなどの各項目がフィールドに当たります。
このように、kintoneはアプリとレコードとフィールドという構造でデータを整理しています。
kintoneは直感的な操作で項目を配置できるため、プログラミングが苦手な人でも、自社の業務に合わせたデータベースを構築することができます。
kintoneでできる10のこと
ではkintoneを使うと、どんなことができるようになるのでしょうか。
- 顧客管理
- 案件管理・営業管理
- 日報・勤怠管理
- プロジェクト管理
- データ集計・グラフ化
- ワークフロー・承認フロー
- コミュニケーション機能
- モバイル対応
- 外部サービスとの連携
- アクセス権限・セキュリティ管理
順番に解説していきます。
1.顧客管理
kintoneは顧客情報を一元管理することができます。氏名や会社名、住所や連絡先、購入履歴など、顧客に関する様々な情報を登録することができます。
過去の対応履歴や商談内容も記録できるため、顧客との関係性を長期的に記録することができます。
2.案件管理・営業管理
営業活動の進捗を、kintoneのアプリで可視化することができます。
担当者ごとの案件や売上見込みを集計し、チーム全体でデータを共有することが出来ます。
また案件ごとにコメントを追加でき、進捗報告やフィードバックも簡単に行えます。
結果的に、チーム全体で営業情報を可視化できるので、機械損失を防ぐことが出来ます。
3.日報・勤怠管理
社員の日々の業務報告や勤怠記録を、kintone上で簡単に登録することができます。出勤や退勤時間、作業内容、達成事項などを入力し、上司がすぐに確認することができます。
承認フローを設定すれば、上司がワンクリックで確認・承認することも可能。また過去の勤怠情報を集計して、稼働時間や業務傾向を分析することもできます。
4.プロジェクト管理
kintoneは複数人で進めるプロジェクトを一元的に管理することができます。
タスクごとに担当者・期限・進捗率などを設定し、進捗状況をグラフやリスト化することが可能です。
何か問題があったらすぐに確認することができるので、チーム作業が円滑に進みます。
5.データ集計・グラフ化
kintoneはアプリ内のデータを条件ごとに集計して、グラフ化することができます。
棒グラフや円グラフ、折れ線グラフなど、データに合わせた表示が可能。営業データや顧客数の推移などを視覚的に分析し、会議資料にも活用することができます。
6.ワークフロー・承認フロー
見積書や申請書などにおける承認プロセスを自動化することができます。
紙で回していた申請をオンラインで完結でき、承認スピードが向上します。外出していたとしても、スマホから承認することができるので便利です。
7.コミュニケーション機能
kintoneはコミュニケーション機能が豊富に取り揃えられています。
たとえば各レコードにコメントを残せるため、メールよりもスムーズに情報共有することができます。
案件ごとに会話が整理されているので、誰が何を話したのかがすぐに分かります。
またスペース機能を使えば、部署やチーム単位の掲示板を作成することができます。資料共有や意見交換など、社内SNSのように使うことが出来ます。
8.モバイル対応
kintoneはスマホやタブレット端末からでもアクセスすることができます。
外出先からでも顧客情報の閲覧や入力が簡単に行えます。営業活動中にその場でデータを更新したり、進捗をリアルタイムで報告することが可能。
オフィスに戻らなくても作業が完結するため、柔軟な働き方に繋がります。
9.外部サービスとの連携
kintoneは他のツールとの連携設定がやりやすいツールです。チャットツールやCRMツール、会計ツールや請求管理システムなど、多様なツールとの連携が可能です。
社内外のサービスを繋げることで、kintoneを中心とした効率的なデータ運用ができます。
10.アクセス権限・セキュリティ管理
kintoneは、ユーザーやグループごとに細かくアクセス権限を設定することができます。
「閲覧のみ」、「編集可」など、業務内容に応じて柔軟に制御することができます。顧客情報などの機密データも、権限を限定して安全に管理できます。
またkintoneを運営するサイボウズ株式会社は、ISMS認証(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得しているため、安心してクラウドサービスを利用することができます。
kintoneでできない5つのこと
ではkintoneでできないことは、どんなことがあるでしょうか。
- 高度なデータ分析やAI機能は標準ではできない
- 大量のデータの管理
- 細かなデザインの変更
- オフラインでの利用ができない
- 複雑な帳票出力や印刷レイアウトの作成は不得意
順番に解説していきます。
1.高度なデータ分析やAI機能は標準ではできない
kintoneの標準機能では、高度なデータ分析・AI機能は利用できません。
高度な分析を行いたい場合は、外部のBIツールの導入が必要になります。
またkintoneの標準機能のAIは限定的です。
kintoneのAI機能は現時点で、検索AI、アプリ作成AI、プロセス管理AIの3種類です。
これ以外の機能を使いたい場合は、外部のAIツールと連携すると良いでしょう。(kintoneのAI機能については、今後追加されていく予定のようです。)
2.大量のデータ管理
kintoneの基本のデータ容量は1ユーザーあたり5GBと限られているため、大量のファイルデータを直接保存するには向いていません。
多くのデータを保存したい場合は、別途プラグインを連携するなど対策をとる必要があります。
3.細かなデザインの変更
kintoneの画面は機能的で使いやすいのですが、WebデザインやUIの自由度はあまり高くはありません。
見た目を自由にカスタマイズするには、CSSやJavaScript、プラグイン等での改修が必要です。標準形式の場合、シンプルで業務向きなデザインになります。
4.オフラインでの利用ができない
kintoneはクラウド型のシステムです。
そのため基本的にインターネットの接続が必須です。通信環境が悪いところや、ネットワークの制限があるところでは利用できません。
そのため、外出先で電波の届かない地域などでは注意が必要です。
5.複雑な帳票出力や印刷レイアウトの作成は不得意
kintoneの標準機能では、シンプルなCSV出力や一覧印刷しか対応していません。
見積書や契約書、請求書など、複雑なレイアウトを作成するには、追加ツールが必要です。
外部サービスのなかには帳票出力に特化したものもありますので、検討してみてはいかがでしょうか。
kintoneを導入するメリット5つ
ではkintoneを導入するメリットとは、どんなことがあるでしょうか。
- 業務の属人化を防ぎ、情報共有がスムーズになる
- 業務改善を現場主導で進められる
- クラウドツールなので、どこからでも業務ができる
- kintoneの標準機能でできないことでも、機能を拡張できる
- データを可視化できる
順番に解説していきます。
1.業務の属人化を防ぎ、情報共有がスムーズになる
kintoneを導入することで、個人のパソコンやExcelに分散していた情報をクラウド上に一元化できます。
誰でも最新データをリアルタイムで確認できるため、「あの人しか知らない」といった属人化を防ぐことができます。
属人化を防ぐことで、業務の引継ぎやチーム内の共有がスムーズになり、作業効率が大幅に上昇します。
2.業務改善を現場主導で進められる
kintoneは専門知識不要でシステム設計をすることが可能です。非ITの人でもドラッグアンドドロップで簡単に操作できます。
そのため、システム部門や外部開発会社に依頼せずとも、現場スタッフが自らアプリを修正・追加することができます。
その結果、業務効率化のスピードが速くなり、現場の意見を即座に反映することができます。
3.クラウドツールなので、どこからでも業務ができる
kintoneはクラウドツールなので、インターネット環境さえあれば場所を選ばずに使うことが出来ます。
パソコンはもちろん、スマホやタブレット端末からでもアクセス可能です。外出先で商談内容を登録したり、リモートワーク中に進捗を更新したりできます。
在宅勤務や出張、現場作業など、多様な働き方に対応できるツールです。
4.kintoneの標準機能でできないことでも、機能を拡張できる
kintoneは標準機能でできないことでも、機能を拡張させたり、外部サービスと連携することで使える機能を増やすことができます。
kintoneは多くのサービスと連携できるので、現在社内で使っているサービスとも連携が可能かもしれません。
システム同士を連携すると手作業による転記作業が減るので、業務が効率化します。
5.データを可視化できる
kintoneは、登録したデータをグラフなどで即座に可視化することができます。リアルタイムの売上推移や進捗率、顧客対応状況、担当者別の売上状況などを把握することができます。
数字の動きをチーム全員が共有できるので課題発見が早まり、顧客への対応もスピーディーになるでしょう。
kintoneを導入するデメリット・注意点4つ
ではkintoneを導入するデメリットや注意点には、どんなことがあるでしょうか。
- 複雑なシステム構築には限界がある
- 外部連携には追加コストや知識が必要
- ユーザー教育や定着に時間がかかる
- サポートに限界がある
順番に解説していきます。
1.複雑なシステム構築には限界がある
kintoneはノーコードで扱いやすい反面、非常に複雑な処理や、大規模システム開発には不向きです。
プラグインなどを使えば拡張は可能ですが、専門的な知識や外部エンジニアの支援が必要になることも。
kintoneは、中小規模業務の効率化や、チーム単位の業務管理に最適化されたツールです。
2.外部連携には追加コストや知識が必要
kintoneを他のシステムと連携するには、APIやプラグインの利用が必要です。
プラグインは有料である場合も多く、導入コストが想定より高くなるケースもあります。
また連携設定は専門知識が求められる場合もあるため、ITリテラシーの低い現場ではハードルが高い場合もあります。
3.ユーザー教育や定着に時間がかかる
ノーコードで簡単に使えるkintoneですが、実際の運用では使い方に慣れるまでに時間がかかることがあります。
kintoneは自由度が高い分、社内でルールや運用設計を定めておかないと、統一性が失われる恐れがあります。
導入後は、社員の教育やガイドラインの作成、運用ルールの整備を行うようにしましょう。
4.サポートに限界がある
kintoneの公式サポートは、主に電話・メール・チャットが提供されています。
サポートの対応範囲は、標準的な質問対応が中心です。独自のカスタマイズに関することや、複雑なトラブルはサポートの対象外となることがあります。
その場合は、専門知識を持つパートナー企業や外部のエンジニアへ依頼しなければなりません。
導入前に、どこまで自社で対応できるか見極めておくことが必要です。
kintoneが適しているケースと適していないケースとは
ここまでkintoneのメリット・デメリットを見てきました。
ではkintoneはどんなケースに適していて、どんなケースに不向きなのでしょうか。
kintoneが適しているケース
kintoneはノーコードで利用できるツールですので、プログラミング知識がなくてもアプリ作成を行えます。そのため、社内にIT担当者がいないような企業でも導入しやすいのが強みです。
kintoneはExcelや紙で管理している業務をデジタル化することができるので、脱Excel、ペーパーレス化を目指している企業にもおすすめ。
またリモートワークや支店間での情報共有にも強く、チームでの共同作業がしやすいのも特徴です。
営業管理や顧客管理、案件管理や勤怠管理、進捗管理、問合せ対応や日報など、汎用的な業務に幅広く対応することができます。
kintoneは「手軽に業務をデジタル化したい」・「現場の声を反映したシステムを作りたい」といった企業に最適です。
kintoneが適していないケース
一方、kintoneは大規模で複雑なシステム構築や高度な処理、高度なAI機能を求める業務には不向きです。
また大量のデータを管理する場合も、注意が必要です。容量を追加購入することは可能ですが、基本的にkintoneの一人当たりの容量は5GBとなっています。
デザインやUIの自由度も低いため、見栄えやオリジナリティを重視したい場合も、別ツールの方が良いでしょう。
またオンプレミス必須のような、セキュリティが非常に厳しい企業にも適しません。
そしてkintoneの最低契約者数はライト・スタンダードコースともに10名となっています。そのため9名以下で利用したい場合も、別ツールの方が適しています。
kintoneの類似製品を紹介
kintoneは人気のツールですが、「自社とは合わない」と思う方もいるかもしれません。そこで、ここからはkintoneの類似製品を1つ紹介していきます。
PigeonCloud(ピジョンクラウド)
PigeonCloud(ピジョンクラウド)は、株式会社ロフタルが提供するクラウド型のデータベースソフトです。PigeonCloudは、kintoneと同様にさまざまなデータを一元管理できるソフトです。
AIを使って自動でシステム構築ができたり、RPAのように業務を自動実行できる機能も搭載されています。
そんなPigeonCloudの魅力は、「価格」・「標準機能の充実度」・「サポート力」です。
PigeonCloudは他社と比べても低価格なツールです。
またPigeonCloudは通常プランの他に「同時ログインプラン」があります。こちらは同時に接続するユーザー数で費用を計算するため、利用頻度が低い社員が多くいる場合でも費用負担が少なく、お得に使っていくことができるプランです。
またkintoneでは別途費用がかかるような、「帳票出力」や「ルックアップ自動取得」、「自動採番機能」など高度な機能が標準装備しています。
そしてデータベースの初期構築を無料で行っているほか、導入後も無料で電話やチャット等から相談をすることができます。
PigeonCloudはコスパが高く機能も充実しているため、「なるべく予算は抑えながらも良いものを使いたい!」そんな方にぜひ使っていただきたいソフトとなっています。
- ユーザー数プラン 1,100円/一人あたり
- 同時ログインプラン(利用者数は多いけれど同時に接続する人は少ない場合、お得に利用できる)
- 脱Excel、脱Access、脱スプレッドシート等におすすめ
- 5ユーザー以上から利用可能
- ノーコード
- さまざまな業務に使える
- AIで業務システムを自動で作成
- 低価格
- 同時ログインプランあり
- データ容量100GB
- サポートが手厚い
- 標準機能が充実
- データ分析機能
- クラウド型、オンプレミス型に対応可能
- チャットツール等との外部連携
- 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証取得
- RPAのように業務を自動実行できるコネクト機能搭載
公式サイト:PigeonCloud
こちらの記事では、kintoneとPigeonCloudの違いについて詳しくまとめています。ぜひご一読ください。
まとめ
この記事ではkintoneについて解説してきました。
kintoneは国内で人気のグループウェアです。さまざまな便利機能が付いており、他のツールとの連携や機能の拡張など、幅広い業務に対応することができます。
しかしkintoneにはメリットもありますが、デメリットや注意点もあります。
kintoneと同じようなツールは他にもあるので、kintoneのマイナスポイントが気になる方は他のツールも検討してみると良いでしょう。
この記事ではkintoneの類似製品としてPigeonCloudを紹介しました。興味を持たれた方は、公式サイトから資料請求や無料トライアルを試してみてはいかがでしょうか。
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