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2026.09.02 データベース

ファイルメーカーとは?できること・できないこと・料金を解説

ファイルメーカー(Claris FileMaker)は、コードをほとんど書かずに業務アプリを内製できる老舗のデータベースソフト(ローコード開発ツール)です。自由なカスタマイズ性と40年以上の実績が強みですが、Androidネイティブアプリ非対応・月額2,200円/人(税抜・5ユーザー12か月契約時)〜というコスト面の制約もあります。この記事では、ファイルメーカーのできること・できないことを2026年9月時点の情報で整理し、最新料金・評判・代替ツールまで解説します。

できること(強み)できないこと・注意点
基本的な業務アプリをコードを書かずに開発(複雑な処理はスクリプト設計が必要)Androidネイティブアプリが存在しない
Windows・Mac・iOSのマルチ環境で動作月額コストが高め(Cloud Starter 2,200円/人・税抜〜)
大量データの高速検索・並べ替え大規模・高負荷な用途は設計・負荷検証が必要
レイアウトの自由なカスタマイズ外部連携の実装工数は連携先次第・学習リソースが少なめ
オンプレミスとクラウドを選べる社内エンジニア依存(属人化)になりやすい

結論:iPhone/iPad中心の環境で、社内にアプリを作り込める担当者がいるならFileMakerは有力な選択肢です。一方、Android端末が混在する現場・コスト重視・ノーコード希望なら、kintoneやPigeonCloudなどの代替ツールが候補になります。以下で判断材料を順に見ていきます。

ファイルメーカーとは?製品ラインアップと特徴

ファイルメーカーは、Apple傘下の米Claris Internationalが開発するデータベースプラットフォームです。2026年に最新版「Claris FileMaker 2026」がリリースされており、40年以上の歴史を持つ現役の製品です(廃止予定なし)。

FileMaker製品ラインアップ:Pro、Go(iOS)、WebDirect、Server、Cloudの各製品の関係図
FileMaker製品ラインアップの概念図(Pro/Go/WebDirect/Server/Cloud)

製品は用途・端末によって以下のラインアップに分かれます。

製品名主な用途対応端末
FileMaker Proアプリ開発・データ管理Windows / Mac
FileMaker Goモバイルでの実行iPhone / iPad(iOS専用。Androidネイティブアプリなし
FileMaker WebDirectWebブラウザで実行モダンブラウザ搭載端末(対応環境はバージョンごとの動作要件を確認)
FileMaker Serverオンプレミス展開Windows / Linux
FileMaker Cloudクラウド展開ブラウザ対応

2025年7月のプラン名変更にともない、旧「Essentials」は「Starter」、旧「Standard」は「Max」に改称されました。

ファイルメーカーでできることは何か?主な機能5選

1. プログラミング不要でオリジナルアプリを開発できる

ファイルメーカー最大の強みは、ドラッグ&ドロップとスクリプト設定だけで業務アプリを構築できる点です。SQLなどのプログラミング言語の知識がなくても、以下のような業務システムを作れます。

  • 受注管理・在庫管理・顧客台帳
  • 社内申請フロー・スケジュール管理
  • 日報・報告書の電子化

日本語でスクリプトを記述できる点も、IT担当者がいない中小企業に支持される理由のひとつです。

2. Windows・Mac・iOSのマルチ環境で動作する

1つのカスタムAppを、端末を問わず使い回せるのがFileMakerの持ち味です。

  • Windows / Mac:FileMaker Pro(開発・デスクトップ利用)
  • iPhone / iPad:FileMaker Go(iOS専用ネイティブアプリ)
  • Android:WebDirect(ブラウザ経由のみ・後述)

3. 大量データの高速検索・並べ替えができる

FileMakerは大量のレコードを扱う場合でも、検索条件の絞り込みや並べ替えを高速に処理できる設計です(実際の性能はサーバー構成・データ設計・同時接続数に左右されます)。

  • 複数条件の組み合わせ検索
  • 任意フィールドでの昇順・降順ソート
  • 検索結果の絞り込み(省略モード)

製造・卸・医療など大量のレコードを日常的に扱う業種で使われています。

4. レイアウトを自由にカスタマイズできる

一覧表示・カード形式・レポート形式など、目的に応じた画面レイアウトを複数作成して切り替えられます。帳票や請求書に近いレイアウトも設計可能で、業務フローに合わせた画面設計の自由度はFileMakerの大きな特長です。

5. オンプレミスとクラウドを選べる

展開形態製品向いている場面
オンプレミスFileMaker Server機密データを社内に置きたい場合
クラウドFileMaker Cloud外出先や複数拠点でのアクセスが多い場合

自社のセキュリティ方針に合わせた展開形態を選択できる柔軟性が、医療・法律・製造など機密性の高い業種での導入につながっています。

【2025〜2026年の主なアップデート】
Claris FileMaker 2025ではAI機能が強化され、2026年版ではさらに機能が追加されています。
  • RAG(Retrieval-Augmented Generation)による社内データを参照したAI回答
  • 自然言語でクエリーを生成する機能
  • AIプロバイダーとしてGoogle Geminiに対応(2026年版)
  • リモートバックアップ・Standby Serverなど運用系機能の強化(2026年版)
これらにより、FileMaker上に構築した業務システムをAIで補完・自動化する土台が広がっています。

ファイルメーカーでできないことは何か?デメリット6選

1. Androidネイティブアプリが存在しない

FileMaker GoはiOS(iPhone/iPad)専用であり、Androidには公式ネイティブアプリがありません。

  • Android端末からはWebDirect(ブラウザ)経由でのみ操作できる
  • FileMaker GoのようなモバイルUIの快適さはAndroidでは得られない
  • Android端末がメインの現場では運用設計に注意が必要

2. 月額コストが高い

2026年9月時点、Claris FileMaker Cloudの料金は以下の水準です(Claris Storeで5ユーザー・12か月契約の場合。ユーザー数や契約期間で単価は変わります)。

プラン月額/ユーザー主な制限
Cloud Starter(旧Essentials)2,200円(税抜)共有App 3個・容量2GB/ユーザー年・5〜10ユーザー
Cloud Max(旧Standard)4,500円(税抜)共有App 256個・容量6GB/ユーザー年・5〜99ユーザー

最低5ユーザーからの契約となるため、Starterでも月額最低11,000円(税抜)〜かかります。他のWebデータベースツールと比較すると割高感があり、費用面はFileMaker検討時によく挙がる論点です。

3. 大規模・高負荷なシステムには不向き

FileMakerはユーザー数が多くなったり、同時アクセスが集中するとパフォーマンスが低下することがあります。以下のケースでは、他のシステムを検討する必要があります。

  • 同時接続数が非常に多い大規模な業務システム(性能は構成・設計に左右されるため事前の負荷検証が必要)
  • リアルタイム処理が必要なトランザクション系システム
  • PostgreSQL・MySQLなどエンタープライズ向けDBが要件として指定されている場合

4. 他システムとの外部連携が限定的

REST APIやODBCなどで外部連携は可能ですが、kintoneやSalesforceと比較するとプラグインや公式コネクターの数は少ないです。

  • SFAやERPとのリアルタイム連携を多用する場合は事前確認が必須
  • Zapier・Make(旧Integromat)対応のネイティブコネクターが存在しない
  • 標準コネクターが無い連携先は、FileMaker側スクリプトでAPI呼び出しを実装する必要が生じる場合がある

5. 学習リソース・書籍が少ない

ExcelやAccessと比較して、市販の参考書や日本語の学習コンテンツが少ないです。

  • 公式のクラリスコミュニティで質問できるが、回答まで時間がかかることもある
  • 日本語の動画チュートリアルはYouTubeに限られる
  • 社内に経験者がいない状態で独学で始める場合、習得コストを見込んでおく必要がある

6. 社内エンジニア依存になりやすい(属人化リスク)

FileMakerの開発・保守は独自のスクリプト言語の習得が必要です。社内に担当者が1人しかいない場合、次のリスクがあります。

  • 担当者の退職・異動で、システムの改修・サポートが止まる
  • 「FileMakerがわかる人がいないと何もできない」状態に陥る

複数人への技術共有や、運用ドキュメントの整備が対策になります。

▶ FileMakerは時代遅れ?現役エンジニアが評価した記事はこちら

FileMakerの最新料金(2026年版)は?kintone・PigeonCloudと比較

2026年9月時点の料金で、kintoneおよびPigeonCloudと比較します(FileMakerはClaris Storeの5ユーザー・12か月契約時の単価)。

ツール月額/ユーザー最小契約備考
FileMaker Cloud Starter2,200円(税抜)5ユーザー〜共有App 3個まで
FileMaker Cloud Max4,500円(税抜)5ユーザー〜共有App 256個
kintone(スタンダード)1,800円(税抜)10ユーザー〜API・プラグイン利用可
PigeonCloud1,100円(税抜)5ユーザー〜帳票・自動採番標準搭載

ユーザー単価では、FileMaker Cloud Starter(2,200円・税抜)はkintoneスタンダード(1,800円・税抜)の約1.2倍、PigeonCloud(1,100円・税抜)の2倍です。最低月額に直すと、FileMaker Starter 11,000円・kintoneスタンダード18,000円・PigeonCloud 5,500円(いずれも税抜)となります。契約期間・構築費・機能範囲は各社で異なるため、総コストは自社の条件で見積もることをおすすめします。

なお、サブスクリプションのほかに買い切り型の「FileMaker Pro」シングルライセンス(73,260円・税込)も販売されています。1台での利用が中心ならこちらも選択肢になります。

※料金は2026年9月2日時点・各社公式サイト(Claris公式kintone公式)の公開情報にもとづきます。

▶ 国内データベースソフト比較まとめ記事はこちら

ファイルメーカーの評判・口コミはどうか?

以下は、公開レビューサイトや導入企業の声で見られる代表的な評価の傾向を編集部で整理したものです(件数を集計した統計ではありません)。

良い評判・口コミ

ポジティブな声主な該当層(傾向)
プログラミングが苦手でも開発できたIT部門なしの中小企業
日本語でスクリプトが書けて習得しやすいシステム担当者(兼任)
カスタマイズの自由度が高い製造・医療・建設業
データ検索が速くて使いやすいデータ管理担当者
iPhoneからの操作が快適営業・フィールドワーカー

良くない評判・口コミ

ネガティブな声主な該当層(傾向)
ライセンス費用が高い・値上がりが続くコスト管理担当者
Androidで使いにくい(アプリがない)Android端末利用者
大量データ時にレスポンスが遅くなる大規模導入企業
他システムとの連携が乏しいSaaS多用企業
参考書・学習リソースが少ない独学導入者

ファイルメーカーが向いているのはどんな企業か?

FileMakerが向いている人
  • Windows/Mac環境で、iOS端末(iPhone/iPad)を業務利用している
  • Excel管理から脱却して、複数人でリアルタイムにデータ共有したい
  • 社内SE・IT担当者がいて、独自のカスタムアプリを内製したい
  • オンプレミスへの展開や、セキュリティ要件が厳しい業種(医療・法律など)
  • 帳票・レポートの印刷レイアウトに細かいこだわりがある
FileMakerが向いていない人
  • Android端末をメインで使う現場(ネイティブアプリが存在しない)
  • 月額コストをできるだけ抑えたい中小規模のチーム
  • SFA・ERPなど他システムとの広範な連携が必要
  • IT知識がなく、社内で開発・保守できる人員がいない
  • 大規模な同時接続が想定されるシステム

上記のような課題がある場合は、PigeonCloudのような国産ノーコードデータベースも比較候補になります(後述の代替ツールの章で比較します)。

▶ AccessとFileMakerの比較:どちらが自社に向いているか?

ファイルメーカーの将来性|廃止予定はあるか?

「FileMakerはいつサービス終了するのか」という疑問はよく見られますが、現時点で廃止・サービス終了の発表はありません。Claris Internationalは2025年の「Claris FileMaker 2025」に続き、2026年にも最新版「Claris FileMaker 2026」をリリースしています。AI機能の強化(RAG・自然言語クエリー・Google Gemini対応)やサーバーの冗長化機能の追加など、製品ロードマップは現在も継続しています。

ただし以下の点は留意する必要があります。

  • プラン名変更(Essentials→Starter、Standard→Max)など、製品体系の変更が続いている
  • 2025年3月に価格改定を実施。今後も改定の可能性がある
  • Claris社はApple製品との親和性を重視しており、Android対応の強化は現時点で発表されていない

ファイルメーカーの代替ツールはあるか?コストを抑えたい場合の選択肢

FileMakerのデメリット(価格・Android非対応)が自社に合わない場合、以下の代替ツールが検討候補になります。

▶ 脱FileMaker・代替ツール比較の詳細記事はこちら

PigeonCloud(ピジョンクラウド)——国産のノーコードWebデータベース

PigeonCloudは、当社・株式会社ロフタルが開発・提供するノーコードWebデータベースです(自社製品のため、比較は各社公式の公開情報にもとづいて記載します)。

Claris Storeの5ユーザー・12か月契約時の単価比較では、PigeonCloud(1,100円・税抜)はFileMaker Cloud Starter(2,200円・税抜)の2分の1です。

FileMakerと同様に業務アプリを専門知識なしで構築できます。主な違いは以下の通りです。

比較項目FileMaker Cloud StarterPigeonCloud
月額料金2,200円(税抜)/人1,100円(税抜)/人
最小契約5ユーザー〜5ユーザー〜
Android利用WebDirect(ブラウザ)のみ・ネイティブアプリなしブラウザ利用(ネイティブアプリなし・スマホ/タブレット対応)
帳票出力設計次第で可能標準搭載(追加費用なし)
自動採番設計次第で可能標準搭載
ルックアップ設計次第で可能標準搭載
初期構築自社対応または開発会社へ委託構築代行30万円(税抜)〜(ヒアリング・サンプル作成は無料)
サポート公式サポート・コミュニティ電話・メールサポート(追加費用なし)
AI機能RAG・自然言語クエリー・Gemini対応(2026〜)AIテーブル作成・AIレコード検索/集計・AIチャット(AIファイル検索は有料オプション)

PigeonCloud(ピジョンクラウド)の詳細を確認する

月額1,100円/人〜(税抜・5ユーザーから、月5,500円〜)。帳票出力・自動採番・ルックアップを標準搭載し、電話・メールサポートも追加費用なしで使えます。機能・料金の詳細は資料にまとまっています。

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まとめ:ファイルメーカーは自社に合うか?

ファイルメーカー(Claris FileMaker)のまとめ
  • コードをほとんど書かずに業務アプリを内製できる点が最大の強み
  • Androidネイティブアプリなし(FileMaker GoはiOS専用。AndroidはWebDirectブラウザのみ)
  • 料金(2026年9月時点):Starter 2,200円(税抜)/人〜、Max 4,500円(税抜)/人〜
  • AI機能(RAG・自然言語クエリー)は2025年版から搭載。2026年版でGoogle Gemini対応が追加
  • 廃止予定なし。2026年版がリリース済みの現役製品
  • コスト重視・Android利用・外部連携重視の場合は代替ツールを検討する価値あり

FileMakerは長い歴史と豊富なカスタマイズ性を持つ信頼性の高いツールです。一方で、価格・Android非対応・外部連携の限界という課題も明確です。自社の利用人数・端末環境・予算と照らし合わせて、自社に合うツールを選んでください。

FileMakerの費用が合わないと感じたら、PigeonCloudも検討してみてください

月額5,500円(税抜)〜(5ユーザー)でスタート。帳票・自動採番・ルックアップが標準搭載で、スマホ・タブレットのブラウザからも使えます。構築代行は有料(30万円税抜〜)ですが、ヒアリング・サンプル作成までは無料で相談できます。

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FAQ(よくある質問)

Q. ファイルメーカーはAndroidで使えますか?

A. FileMaker GoというネイティブアプリはiOS(iPhone/iPad)専用であり、Androidには対応していません。Android端末からアクセスするには、FileMaker WebDirectを使いブラウザ経由でのみ利用できます。快適なモバイル操作を求めるAndroidユーザーには制約が大きいです。

Q. ファイルメーカーはサービス終了しますか?廃止予定はありますか?

A. 現時点でClaris FileMakerの廃止・サービス終了の発表はありません。2026年に最新版「Claris FileMaker 2026」がリリースされており、AI機能の強化も続いています。ただし料金改定やプラン変更は継続しており、今後の動向は注視する必要があります。

Q. ファイルメーカーの最新料金はいくらですか?

A. 2026年9月時点、Claris FileMaker Cloudの料金はStarterプラン 2,200円(税抜)/ユーザー/月、Maxプラン 4,500円(税抜)/ユーザー/月です(Claris Storeで5ユーザー・12か月契約の場合。単価は人数・期間で変動します)。最小契約は5ユーザーからとなるため、Starterで最低月額11,000円(税抜)〜かかります。

Q. ファイルメーカーとkintoneはどちらがいいですか?

A. 目的によって異なります。内製アプリの自由度・帳票レイアウトの細かさを重視するならFileMaker、他システムとの連携・プラグインの豊富さを重視するならkintone(スタンダード1,800円・税抜/人)が向いています。コスト重視であればPigeonCloud(1,100円・税抜/人〜)も選択肢です。

Q. ファイルメーカーはプログラミングの知識がなくても使えますか?

A. 基本的な操作・データ管理はプログラミング不要で行えます。ただし複雑なスクリプト・条件分岐を組む場合は、FileMaker独自のスクリプト言語の習得が必要です。完全なノーコードを求める場合は、PigeonCloudのようなツールの方が学習コストを抑えられる場合があります。

Q. ファイルメーカーはExcel・Accessとどう違いますか?

A. ExcelはスプレッドシートでFileMakerはデータベースソフトです。複数人でのリアルタイム共有・帳票出力・履歴管理の面でFileMakerが優れています。AccessはWindows専用ですがFileMakerはMacでも動作します。詳しくはAccessとFileMakerの比較記事をご覧ください。

Q. ファイルメーカーの代替ツールにはどんなものがありますか?

A. コスト重視ならPigeonCloud(1,100円・税抜/人〜)、外部連携重視ならkintone(スタンダード1,800円・税抜/人)、Excelからの移行ならGoogleスプレッドシート+AppSheetなどが候補です。詳しくはFileMaker代替ツール比較記事をご覧ください。

この記事を書いた人
PigeonCloud編集部 PigeonCloud Editorial Department
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