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2026.09.02 データベース

iPaaS比較5選|料金・できること・選び方をわかりやすく解説

「SaaSを増やすたびに、アプリ間のコピペ作業も増えていく」。この状態の解消を目指す仕組みがiPaaS(アイパース)です。本記事では、iPaaSの仕組みと、Zapier・Make・n8n・Yoom・ASTERIA Warpの主要5ツールを、2026年9月時点の各社公式サイトで確認した料金で比較します。

先に結論

  • iPaaS選びは「つなぐ対象・課金単位・運用者・セキュリティ」の4軸で決まる
  • 個人・小規模で今すぐ試すならZapierかMake、コストを詰めるならn8n、日本語で完結させたいならYoom、基幹連携が主目的ならASTERIA Warp
  • APIのない画面操作や「考える作業」は、API連携を軸とするツールでは対象にしにくい。そこまで自動化したい場合は別の層のツールを検討する

※ 本記事は、業務自動化ツール Pigeon Workflow を提供する株式会社ロフタルが執筆しています。比較は公平性に配慮し、各社の料金は公式サイトの表記に基づきます。

iPaaSとは?アプリ同士を「つなぐ」クラウド基盤

iPaaSはIntegration Platform as a Serviceの略で、クラウド上でアプリ同士の連携フローを作り、実行・管理まで担う基盤です。フォームの回答をチャットに流す、CRMの登録を会計ソフトへ渡す、といった「アプリ間のデータの受け渡し」を、API経由で自動化します。

iPaaSの仕組み。SaaS・クラウドと基幹・データベースの間に立ち、トリガー検知・データ変換・自動反映を行う
iPaaSはSaaS群と基幹系の間に立つ「連携のハブ」

EAIとの違い

似た言葉にEAI(企業内アプリケーション統合)があります。整理すると次の関係です。

  • EAI:オンプレミス中心の社内システム連携から発展した仕組み
  • iPaaS:EAIのクラウド版という位置づけが通例。SaaS連携が主戦場
  • レシピ型の軽量iPaaS(Zapier・Make・Yoomなど):SaaS同士の連携を数分で組める

今回比較するASTERIA WarpはEAI出自の国産ツールで、クラウド版のASTERIA Warp Cloudを同社は「エンタープライズiPaaS」として提供しています。

iPaaSで何ができるか

具体例を挙げると、次のような「点」の連携が数分〜数時間で組めます。

  • 問い合わせフォームの回答を、チャットツールとスプレッドシートへ同時に記録する
  • CRMに商談が登録されたら、請求システムに顧客情報を自動作成する
  • 受信メールの添付ファイルを、所定のクラウドフォルダへ自動保存する
  • ECの注文データを、毎朝まとめて在庫管理システムへ反映する

筆者はマーケティング業務でこの種の連携を日常的に組んでいますが、体感として一番効くのは「人がやると忘れる転記」の削減です。筆者の環境では、転記ミスの原因調査に費やす時間が目に見えて減りました。この価値は月額料金の数字以上だと感じています。

比較の前に決めておく4つの軸

なお、この分野の分類はメディアによって幅があります。本記事では、API連携を軸とするクラウド連携基盤を広くiPaaSとして扱います。

ツールの機能表を眺める前に、自社の条件を4つ決めておくと選定を短時間で進めやすくなります。

iPaaS選定の4軸。つなぐ対象・実行量と課金単位・誰が運用するか・セキュリティ要件
この4軸を先に決めておくと候補を絞りやすい

特に見落としやすいのが2つ目の課金単位です。タスク数・クレジット・実行数と、消費のカウント方法の定義がツールごとに違うため、カタログの数字だけでは月額を見積もれません。無料枠で実際の消費ペースを測ってから有料プランを決めるのが手堅い進め方です。なお、比較表で扱うのは4軸のうち料金まわりの2軸(つなぐ対象・課金単位)で、運用者とセキュリティの2軸は導入手順の章で確認ポイントとして扱います。

主要iPaaS 5ツール比較【料金は2026年9月に公式サイトで確認】

比較対象は、海外の定番3つ(Zapier・Make・n8n)と国産2つ(Yoom・ASTERIA Warp)です。料金は全て2026年9月時点の各社公式サイトの表記に基づきます。海外ツールはドル・ユーロ建てのため、日本円の負担額は為替で変動します。

ツール 無料枠 有料プランの目安 課金単位 特徴
Zapier月100タスクProfessional 月19.99ドル〜(年払い)タスク数連携アプリ10,000以上。レシピ型の定番
Make月1,000クレジットCore 月9ドル〜(月1万クレジット時・年払いで15%以上割引)クレジット(モジュール操作ごと)視覚的なシナリオビルダー
n8nセルフホストは無料クラウド版 Starter 月20ユーロ〜(年払い・月払い24ユーロ)ワークフロー実行数(ステップ無制限)コードも書ける。エンジニア向け
Yoom月100タスク(0円)パーソナル 月2,400円〜(年間契約・税抜・1名)タスク数国産。公式サイトで750種類以上のサービス連携をうたう
ASTERIA Warp―(公式サイト参照)Core 月30,000円〜(サブスクリプション)。クラウドiPaaS版のWarp CloudはCore+ 月160,000円〜エディション制国産EAI出自のデータ連携ミドルウェア

※ 各料金は2026年9月時点の公式サイト表記。プラン条件(実行量・ユーザー数・年払い/月払い)が異なるため、同じ行同士の単純な金額比較はできません。最新情報は必ず各公式サイトで確認してください。

Zapier:連携アプリ数で選ぶ定番

Zapierは公式サイトで10,000以上のアプリとの接続をうたう、レシピ型iPaaSの代表格です。

  • 無料プラン:月100タスクまで
  • 有料:Professional 月19.99ドル〜(年払い)
  • 課金単位:タスク数(ステップの多いフローを高頻度で回すと消費が早い)
  • 管理画面・ヘルプは英語のみ
  • 公式料金ページ: zapier.com/pricing

Zapierの料金体系とできることは、Zapierの料金・できること解説で料金計算例つきで詳しく書いています。

Make:視覚的なシナリオビルダーが特徴

Make(旧Integromat)は、視覚的なシナリオビルダーでフローを組むツールです。

  • 無料プラン:月1,000クレジット
  • 有料:Core 月9ドル〜(月1万クレジット選択時・クレジット量はスライダーで選ぶ変動制)
  • 年払いで15%以上の割引という表記
  • 課金単位:シナリオ内の各モジュール操作=1クレジット
  • 公式料金ページ: make.com/en/pricing

n8n:セルフホスト無料。技術者がいる会社の有力候補

n8nはソースコードが公開されており、Community Editionを自社サーバーに立てれば本体無料で使えます。

  • セルフホスト(Community Edition):無料
  • クラウド版:Starter 月20ユーロ〜(年払い・月払いは24ユーロ)
  • 課金単位:ワークフローの実行数のみ。中のステップ数は無制限
  • 1フロー内のステップが多くても、課金は実行数のみ。セルフホストではサーバー運用の負担は自社持ち
  • 公式料金ページ: n8n.io/pricing

n8nはできること15選料金解説Zapierとの比較を個別記事にしています。

Yoom:日本語で運用したい会社の候補

Yoomは国産のiPaaSで、公式サイトでは750種類以上のサービス連携をうたいます。

  • 無料プラン:月100タスク(月額0円)
  • パーソナル:年間契約で月2,400円(税抜・月1,000タスク・1名)
  • ミニ:年間契約で月16,000円(税抜・月5,000タスク・20名)
  • 国産サービスのため、公式サイト・料金表記が日本語・日本円で完結する
  • 公式料金ページ: lp.yoom.fun/plan

ASTERIA Warp:基幹システム・DB連携が主目的なら

ASTERIA Warpは、アステリア株式会社が提供するEAI出自の国産データ連携ミドルウェアです。サブスクリプション型のCoreシリーズと、クラウドiPaaS版のASTERIA Warp Cloudでは価格ラインが大きく異なる点に注意してください。

  • サブスクリプション: Core 月30,000円〜/Core+ 月60,000円〜/Standard 月200,000円〜(年契約)
  • クラウドiPaaS版(ASTERIA Warp Cloud): Cloud Core+ 月160,000円〜
  • 公式ラインナップ: asteria.com/jp/warp/lineup/

レシピ型の軽量iPaaSとは価格帯が一段違いますが、基幹システムやDBとの本格的なデータ連携を担う層のツールです。

タイプ別の結論:こう選べば失敗しない

4軸に沿った筆者の目安です。前述のとおり各社のプラン条件は揃っていないため、最終判断は無料枠での実測を推奨します。

状況 選ぶツール
まず無料で試したい・海外SaaS中心Zapier(連携アプリ数)またはMake(視覚的ビルダー)
社内にエンジニアがいて、コストを詰めたいn8n(セルフホスト無料・実行数課金)
非エンジニアが日本語で運用したい・国内SaaS中心Yoom(国産・タスク課金が分かりやすい)
基幹システム・DBとの連携が主目的ASTERIA Warp(EAI出自・クラウド版は月16万円〜)
APIのない画面操作や「考える作業」まで自動化したいAPI連携型では対象にしにくい領域。次章のRPA×AI型ツールを検討

迷ったら、無料枠のあるツールを2つ並行で1週間触って、実際の消費タスク数と組みやすさで決めるのが早道です。筆者もツール選定では必ずこの「並行トライアル」を挟みます。カタログスペックだけで決めたときより導入後の手戻りが少なかった、というのが筆者の経験則です。

iPaaSで自動化しきれない業務:APIのない画面操作と「考える作業」

ここまで紹介したツールは、いずれもAPI連携を軸にしています。そのため一般論として、次の2種類の業務は自動化の対象にしにくい領域です(各製品の対応範囲は公式サイトで確認してください)。

iPaaSが得意なAPI連携の範囲と、その先にある画面操作・考える作業の領域の対比
iPaaSの守備範囲と、その先のRPA×AI型ツールの領域

1つ目は、APIが用意されていない社内システムやWebサイトへの入力・参照です。歴史の長い販売管理や、API公開のないATS(採用管理)などが典型で、ここは手作業として残りがちです。2つ目は、書類を読み解いて要約する・文面の下書きを作るといった「考える作業」です。データを右から左へ渡すのではなく中身の解釈が要るため、API連携だけでは完結しにくい領域です。

この2つまで自動化の対象にするのが、AIを組み込んだワークフロー自動化ツールの層です。当社(株式会社ロフタル)が提供するPigeon Workflowは、AIが画面を視て操作するRPAを備え、CSSセレクタに依存しないため画面変更に自動で追従しやすいのが特長です。履歴書の読み解きや文面作成のような業務も、ノーコードのフローに組み込めます。料金はLightが月額5万円(税抜・10ユーザー)からで、導入時のサポートを含みます。

使い分けの目安

APIを持つSaaS同士の「点」の連携なら、レシピ型の軽量iPaaS(Zapier・Make・n8n・Yoomなど)が低コストで始められます。APIのない画面操作や考える作業を含む業務の自動化まで視野に入れるなら、Pigeon WorkflowのようなRPA×AI型を比較候補に加えてください。当社製品のため利害関係がある点はお含みおきの上、無料の個別デモで判断いただくのが確実です。

なお、iPaaS・RPA・AIワークフローを横断した15ツールの比較は業務自動化ツール比較15選にまとめています。カテゴリ自体をまだ決めていない段階ではこちらが役立ちます。

導入までの5ステップと稟議の通し方

iPaaSの導入は大がかりなシステム開発ではないので、スモールスタートが定石です。筆者が実務で使っている手順を示します。

  1. 対象業務を1つ選ぶ:転記ミスが実害になっている業務が最優先。最初から全社展開を狙わない
  2. 無料枠で連携を1本組む:候補2ツールで同じフローを作り、組みやすさと消費タスク数を実測する
  3. 月間実行量を見積もる:実測値×対象業務数で必要プランを決める。年払い割引はこの段階で検討
  4. 権限とセキュリティを確認する:接続するアカウントの権限範囲・データの保存場所・管理者の退職時運用を決める
  5. 効果を数字で残す:削減した転記時間・ミス件数を記録し、次の業務への展開判断に使う

稟議サマリー(コピペ用)

目的:アプリ間の手作業転記の削減とミス防止/候補:Zapier・Make・n8n・Yoom・ASTERIA Warp(自社の連携対象と運用体制で選定)/費用:無料枠で実測後に決定(海外ツールはドル・ユーロ建てで為替により変動。Yoomは年間契約で月2,400円税抜〜。ASTERIA Warpはサブスクリプション版Coreが月3万円〜・クラウド版Warp Cloudは月16万円〜)/リスク対策:無料枠での並行トライアルにより、契約前に実際の消費量と操作性を確認/判断基準:対象業務の月間転記時間と料金の比較

iPaaS比較でよくある質問

iPaaSとRPAの違いは何ですか?

iPaaSはAPIを通じてアプリ同士のデータを受け渡す仕組みで、RPAは人がやる画面操作をソフトウェアが代行する仕組みです。APIがある連携はiPaaSで組むのが一般的で、APIがない画面の操作はRPAの領域です。両方を1つのフローで扱うRPA×AI型のツールもあります。

無料プランだけで運用を続けられますか?

試験運用なら可能です。ただしクラウド型の無料枠は小さめです(例:Zapier・Yoomは月100タスク、Makeは月1,000クレジット。消費単位の定義は各社で異なります)。毎日動くフローを複数持つと早々に上限へ達します。クラウド型での本番運用は、実測した消費量に合う有料プランへの移行が現実的です(セルフホストできるn8nのCommunity Editionは例外)。

海外ツールと国産ツールはどちらを選ぶべきですか?

つなぎたいアプリ次第です。海外SaaS中心ならZapier・Makeの対応数が有利で、国内SaaS中心・日本語での運用を最優先するならYoomが候補になります。ドル・ユーロ建ての海外ツールは為替で実質負担が変わる点も、年間契約の前に確認してください。

セルフホストのn8nを選ぶ場合の注意点は?

本体は無料でも、サーバー費用・アップデート追従・障害対応の運用コストは自社負担です。担当エンジニアが実質1人だと、その人の異動・退職がそのまま自動化基盤の停止リスクになります。体制が薄い場合は、クラウド版やマネージドなツールも含めて総コストで比較することをおすすめします。

iPaaSの導入で失敗しやすいパターンは?

最初から多数の業務を一気に自動化しようとするケースです。フローが増えるほど「どの連携が何をしているか」の管理が問題になります。1業務から始めて命名規則と管理台帳を先に決めておくと、増えてからの管理が楽になります。

この記事を書いた人
石川 傑也 Takuya Ishikawa
アクセンチュア株式会社を退職後、スタートアップ企業のエンジニアとして様々なサービスの企画・開発に携わる。 その後、株式会社ロフタルを設立。これまでの経験を活かし、DX・業務改善を進めるサービスPigeonCloudを開発。

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