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2026.08.31 データベース

【医療】クリニックの患者情報をExcelで管理する3つのリスクと、改善のための情報基盤の作り方

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「患者情報をExcelで管理しているが、セキュリティ面が不安で仕方ない」

「更新漏れや重複登録が起きており、いつかミスにつながりそうで怖い」

「担当スタッフが休むと患者情報の確認ができない。このままでいいのか分からない」

このような悩みを抱える開業医・医療事務責任者・クリニック運営者の方に向けて、本記事では患者情報をExcelで管理することの3つのリスクを整理したうえで、個人情報保護法・医療情報システムの安全管理に関するガイドラインにも対応した情報基盤の作り方を解説します。

この記事の要点

  • クリニックの患者情報管理をExcelで行うことは、情報漏洩・入力ミス・属人化という3つのリスクがある
  • 個人情報保護法・医療情報安全管理ガイドラインへの対応はクリニックの義務であり、安全管理措置が不十分なExcel運用はリスクを伴う
  • 情報基盤に必要な要素は「セキュリティ」「正確性」「共有性」の3つ。この3つが揃うことでExcelの3つのリスクを同時に解消できる
  • 移行は「全部いっぺんに」ではなく、棚卸し→スモールスタート→並行運用の3ステップで進めるのが現実的

クリニックの患者情報管理の現状|なぜExcelが使われ続けるのか

【医療】クリニックの患者情報をExcelで管理する3つのリスクと、改善のための情報基盤の作り方

Excelは無料で使えて操作も手軽という理由から、多くのクリニックで患者情報管理のツールとして使われてきました。しかし、患者数やスタッフ数が増えるにつれ、Excelだけでは管理しきれない場面が少しずつ増えてきます。ここでは、クリニックにおける患者情報管理の現状について見ていきましょう。

1-1 中小規模クリニックでよく見られる患者情報管理の実態

中小規模クリニックでは、患者情報(氏名・生年月日・住所・連絡先・病歴・アレルギー・保険情報など)をExcelで一元管理しているケースが多く見られます。受付スタッフが初診時に入力し、再診時に手動で更新するというフローが一般的です。

しかし実際の運用を見ると、「患者情報シート」「予約管理シート」「保険情報シート」と目的別に複数のExcelファイルが乱立しているケースも少なくありません。電子カルテを導入していても、事務系の情報はExcelで補完しているという状況もよく見られます。

1-2 Excelで患者情報を管理し続ける理由と、その限界

多くのクリニックの患者情報管理ツールにExcelが選ばれ続ける理由は大きく3つあります。

  • 導入コストがかからない
  • 操作が身近である
  • カスタマイズしやすい

この3つのメリットにより、多くのクリニックにとってExcel導入は合理的な選択でした。また、多くの職場で普及してきたこともあり、教育コストがかからないことも利点です。多少使いにくさを感じたとしても、「これまで大きな支障はなかった」「他のツールへの移行が大変そう」といった現状維持バイアスが起きがちでした。

一方で、クリニックの患者数・スタッフ数が増えるにつれて「管理しきれない」といった、課題を感じるクリニックも少なくありません。ファイルの数が増え、どれが最新か分からなくなる。担当者が変わるたびにルールが崩れる。セキュリティ面が気になり始める——こうした状況が積み重なったとき、Excel管理の限界を迎えているといえるでしょう。

クリニックが患者情報をExcelで管理する3つのリスク

【医療】クリニックの患者情報をExcelで管理する3つのリスクと、改善のための情報基盤の作り方

Excelでの患者情報管理が抱えるリスクは、主に3つあります。自院の状況と照らし合わせながら、どれに該当するか確認してみてください。

2-1 リスク①:情報漏洩・セキュリティインシデントのリスク

患者の氏名・生年月日・病歴・保険情報などの要配慮個人情報が、Excelファイルという形で手元のPCやサーバーに集約されている状態は、情報漏洩のリスクをはらんでいます。具体的な漏洩経路として多いのは、メールへの誤添付・USBメモリの紛失・ファイル共有フォルダの設定ミス・ランサムウェア感染などです。

また、患者情報は機密性が高く、安易に共有したり複数人で同時編集したりできないため、結果として一部のスタッフだけが抱え込む状況になりがちです。問診票や同意書は紙のまま運用し、Excelと二重管理になっているケースもあり、情報が分散するほど紛失・漏洩のリスクは高まります。個人情報を多く扱うクリニックほど、この問題は深刻になります。

「パスワードをかけているから大丈夫」と思っている人も少なくありませんが、実はパスワード付きExcelは暗号化の強度が低く、専門的なツールを使えば解除できるため、セキュリティ対策として万全ではありません。

万が一、個人情報漏洩が発生した場合、「患者からの信頼喪失」「行政への報告義務」「損害賠償リスク」という三重の問題が生じる可能性もあります。このリスクへの対応として有効なのが、ISMS認証を取得したクラウド環境への移行と、アクセス権限管理の仕組みを整えることです。

2-2 リスク②:入力ミス・更新漏れによる医療の質への影響

Excel管理は手入力が中心であるため、患者氏名の誤字・生年月日の入力ミスといった転記エラーが起きやすく、それが診療の質に直結するリスクがあります。特に、アレルギー情報や服薬情報の更新漏れは処方ミスにつながる可能性があり、医療安全の観点からも看過できない問題です。

また、複数のExcelファイルで同じ患者情報が管理されている環境では、「どれが最新のファイルか分からない」といった事態も起きがちです。このように、患者が複数回来院するたびに手入力でExcel更新が必要な運用では、件数が増えるほど入力漏れや誤りのリスクが高まります。

入力フォームの統一と必須項目の設定により、入力漏れ・誤入力を未然に防ぐ仕組みを作ることが解決策のひとつです。

2-3 リスク③:属人化・担当者依存による業務継続リスク

Excel運用は特定のスタッフによる属人化が問題になることも少なくありません。また、ExcelはPCにインストールされたアプリケーションのため、1人がファイルを開くと他のスタッフは「読み取り専用」でしか閲覧できません。受付が混み合う時間帯に情報を更新する順番待ちが発生し、対応が滞るという問題も起きやすくなります。スタッフ数や拠点数が多いクリニックほど、この影響は顕著です。

担当スタッフが休暇・病欠のときに患者情報の確認ができない、退職・異動時の引き継ぎが不完全になる——こうした属人化の問題は、特に受付スタッフが1〜2名で全患者情報を管理しているクリニックでよく見られます。特定の担当者への依存が高いほどリスクも大きくなります。

クラウド上でチーム全員が同じ情報にリアルタイムでアクセスできる環境を整えることで、属人化と同時編集の問題を解消できます。

クリニックが知っておくべき法令・ガイドラインの基本

【医療】クリニックの患者情報をExcelで管理する3つのリスクと、改善のための情報基盤の作り方

先述したExcel管理のリスクは、実は個人情報保護法などの法令や医療情報システムの安全管理に関するガイドラインとも密接に関わっています。ここでは、クリニックが知っておくべき法令・ガイドラインの基本について解説します。

3-1 個人情報保護法がクリニックに求めること

個人情報保護法とは、個人情報の適切な取り扱いを義務付けた法律です。患者情報は「要配慮個人情報」(病歴・診療情報など、取り扱いに特に注意が必要な情報)に該当し、通常の個人情報よりも厳格な管理が求められます。要配慮個人情報の枠組みは2015年改正(2017年施行)で導入されました。

中でも、クリニックに課される主な義務は、「安全管理措置」「第三者提供の制限」「漏えい時の報告義務」の3つです。なかでも、2022年4月施行の改正により「漏えい等報告・本人通知の義務化」が新たに加わりました。

報告が必要となるケースには「本人の数が1,000人を超える漏えい等」のほか、「要配慮個人情報が含まれる漏えい等」も含まれます(個人情報保護法施行規則7条)。クリニックが扱う病歴・診療情報は要配慮個人情報に該当するため、たとえ1名分であっても漏えいが発生した場合は報告義務の対象となる点に注意が必要です。

したがって、「Excelファイルをメール添付で共有している」「パスワードなしのファイルサーバーに保存している」といった運用は、安全管理措置として不十分とみなされるリスクがあります。

3-2 医療情報システムの安全管理に関するガイドラインとは何か

医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(厚生労働省)とは、医療機関が電子的な医療情報を扱う際のセキュリティ基準を定めた指針です(以下、本記事では「医療情報安全管理ガイドライン」)。クリニックを含むすべての医療機関が患者情報をデジタル管理する際に参照すべき内容です。

主なポイントはアクセス制御(誰がどの情報にアクセスできるかの管理)・バックアップ・通信の暗号化の3点です。電子カルテだけでなく、Excelやクラウドツールで患者情報を管理する場合も、このガイドラインの考え方が参考になります。

参考:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版(令和8年6月)|厚生労働省

3-3 「Excelでの管理」は法令上どう評価されるか

Excel管理自体が違法というわけではありません。しかし、安全管理措置が不十分な状態であれば、結果として法令違反になりうる点には注意が必要です。特に、Excel管理で起きがちな「パスワード設定なし」「共有フォルダへの無制限アクセス」「バックアップなし」といった運用は、将来的に問題になる可能性が潜んでいます。

そうした事態を防ぐために、法令対応の実務的な解決策として有効なのは、適切な安全管理措置を備えたツールへの移行です。

患者情報の情報基盤を整えるための考え方

【医療】クリニックの患者情報をExcelで管理する3つのリスクと、改善のための情報基盤の作り方

ここまでお伝えした内容で、Excel管理でのリスクを把握できたかと思います。それでは、Excelに代わる患者情報ツールは何を導入すれば良いのでしょうか。具体的なツールをご紹介する前に、まずは「情報基盤に必要な要素」と「ツール選定の観点」を整理しておきましょう。

4-1 情報基盤に必要な要素

クリニックにおける患者情報基盤に求められる要素は以下です。

  • セキュリティ:アクセス権限管理・暗号化・バックアップ体制
  • 正確性:入力の標準化・重複防止・更新履歴の管理
  • 共有性:チーム全員が同じ情報にリアルタイムでアクセスできる環境

これらが揃うことで、先述したExcelが抱える3つのリスク(①情報漏洩、②入力ミス・更新漏れ、③属人化)を同時に解消できます。

4-2 クリニックに合うツールを選ぶ5つの観点

ツールを比較検討する際に確認すべき観点を5つに整理しました。

観点確認すべきポイント
① セキュリティ認証ISMS認証・プライバシーマークなど第三者認証の有無。アクセス権限管理が細かく設定できるか
② 操作のシンプルさITリテラシーが高くない受付スタッフでも直感的に操作できるか。スマホ対応はあるか
③ 業務適合性患者情報の項目設定が柔軟か。予約管理・保険情報・診療履歴など複数業務に対応できるか
④ 費用対効果中小規模クリニックの予算に合う料金設計か。初期費用・月額費用が明確か
⑤ サポート体制専任担当者による導入前のご案内が受けられるか。契約後は問い合わせフォームから対応を受けられるか

4-3 PigeonCloudを選択肢として検討すべきケース

上記の5つの観点を踏まえたうえで、PigeonCloud(ピジョンクラウド)を選択肢として検討いただきたいケースをご紹介します。

  • 開業医・中小規模クリニックを中心に、スタッフ数や拠点数を問わず導入できる(Excelの課題は個人情報を多く扱う現場・規模が大きい現場ほど深刻になるため、規模を問わず効果がある)
  • ExcelやAccessからの脱却を検討しているが、大規模システム導入は予算的に難しい
  • ITの専門担当者がいない環境でも使いこなしたい
  • 医療法人・クリニックなど、規模10名〜1,000名規模の医療機関での導入実績あり

料金

  • 初期費用:シンプルなDBは既存データのインポートで移行可能のため0円。弊社でテーブル設計を行う複雑な場合のみ、初期セットアッププラン(5テーブル作成まで8万円〜)での対応となります
  • 月額:ユーザー数プラン 1,100円/人・月(最低5名・5,500円〜/税別)と、同時ログイン数プラン 2,200円/人・月(最低5名・11,000円〜/税別)の2プランから選べます。交代制・非常勤スタッフの多いクリニックは、同時ログイン数プランが有利なケースもあります

→ kintoneとの比較を含めたツール選定記事はこちら(近日公開予定)

PigeonCloudで変わる患者情報管理のイメージ

【医療】クリニックの患者情報をExcelで管理する3つのリスクと、改善のための情報基盤の作り方

実際にPigeonCloudを導入した場合、患者情報管理がどのように変わるかを、3つのリスクへの対応という形で具体的にイメージしていただきます。

5-1 リスク①への対応:セキュリティ・アクセス権限管理

PigeonCloudは、ISMS認証(ISO/IEC 27001:2022、登録番号JQA-IM2071、取得日2024年1月19日)を取得したクラウド環境で患者情報を管理します。パスワード付きExcelとは根本的に異なる、クラウドベースの本格的なセキュリティ体制です。

スタッフごとにアクセス権限を細かく設定できます(閲覧のみ・編集可・特定項目のみ、といった粒度で制御可能)。また「誰がいつ何を変更したか」の操作ログが自動で記録されるため、万が一情報漏洩が発生した際のトレースにも対応しています。

5-2 リスク②への対応:入力の標準化・更新漏れの防止

PigeonCloudでは入力フォームを統一できるため、スタッフによる記入方法のばらつきを防げます。必須項目の設定や入力チェック機能により、記入漏れやミスを入力の段階で防止できます。

患者情報を一箇所で一元管理することで、「どのファイルが最新か分からない」という問題が解消されます。更新履歴も自動で記録されるため、「いつ・誰が・何を変更したか」を後から確認できます。

5-3 リスク③への対応:チームで共有できる情報基盤

クラウド上でチーム全員が同じ情報にリアルタイムでアクセスできるため、「担当者が休んでも誰でも患者情報を確認できる」環境が実現します。Excelのように「1人が開くと読み取り専用になる」という制約がなく、複数のスタッフが同時に参照・編集できます。

スマホ・タブレットからも確認できるため、医師・看護師・事務スタッフ間の情報共有もスムーズになります。導入にあたっては専任担当者がご要望をお聞きし、基本的な操作・機能説明を含めてご案内します。契約後の導入サポートは問い合わせフォームからお受けしています。

介護施設の職員・シフト管理のデジタル化についてはこちら

Excel管理から情報基盤への移行3ステップ

【医療】クリニックの患者情報をExcelで管理する3つのリスクと、改善のための情報基盤の作り方

「では実際にどう進めればいいか」という方のために、移行の具体的なステップを整理します。一度にすべてを変えようとせず、順を追って進めることが定着への近道です。

6-1 ステップ1:現状の患者情報管理を棚卸しする

まず現在使っているExcelファイルをすべてリストアップします。ファイル名・管理している情報の種類・利用者・更新頻度を一覧にすることで、現状の全体像が見えてきます。

次に「どの情報が最もリスクが高いか」「どこで最も手間がかかっているか」を優先度付けします。「紙で管理している情報」「電子カルテで管理している情報」「Excelで補完している情報」の3つに整理すると、移行対象の優先順位が立てやすくなります。

6-2 ステップ2:まず「一つの業務」からスモールスタートする

「全部いっぺんに移行しようとしない」ことが、失敗しない移行の大原則です。患者基本情報・予約管理・保険情報のうち、最もリスクが高い・最もミスが多い業務を一つ選んで着手します。

PigeonCloudは30日間の無料トライアルを実施しています。まずトライアル環境で一つの業務を試してみて、現場スタッフの使いやすさ・業務フローとの相性を確認してから本格導入を判断するのがお勧めです。

6-3 ステップ3:並行運用期間を経て段階的に移行する

スモールスタートで問題がなければ、1〜2ヶ月の並行運用期間を設けてデータの整合性を確認しながら移行を進めます。受付スタッフへの操作研修や、入力フォームの使いやすさ調整もこの期間に行います。

並行運用で問題がないことを確認できたら、Excel運用を凍結して情報基盤への完全移行です。段階的に対象業務を広げていくことで、現場の混乱を最小限に抑えながら移行できます。

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「何から始めればいいか分からない」という段階からでも、お気軽にご相談ください。導入にあたっては専任担当者がご要望をお聞きし、基本的な操作・機能説明を含めてご案内します。

お問い合わせ・ご相談はこちら(PigeonCloud 公式サイト)

まとめ:患者情報の管理は「リスク管理」。Excelの限界を認識して次の一手を

本記事の内容を整理します。

  • クリニックの患者情報管理をExcelで行うことは、情報漏洩・入力ミス・属人化という3つのリスクがある
  • 個人情報保護法・医療情報安全管理ガイドラインへの対応はクリニックの義務であり、安全管理措置が不十分なExcel運用はリスクを伴う
  • 情報基盤に必要な要素は「セキュリティ」「正確性」「共有性」の3つ。この3つが揃うことでExcelの3つのリスクを同時に解消できる
  • 移行は「全部いっぺんに」ではなく、棚卸し→スモールスタート→並行運用の3ステップで進めるのが現実的

3つのリスクのうち1つでも「当てはまる」と感じた方は、Excel管理の見直しを始めるタイミングが来ています。患者の信頼を守るためにも、情報基盤の整備を早めに進めていただけますと幸いです。

→ kintoneの導入を検討・見送った医療介護事業所向けの記事はこちら(近日公開予定)

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この記事を書いた人
石川 傑也 Takuya Ishikawa
アクセンチュア株式会社を退職後、スタートアップ企業のエンジニアとして様々なサービスの企画・開発に携わる。 その後、株式会社ロフタルを設立。これまでの経験を活かし、DX・業務改善を進めるサービスPigeonCloudを開発。

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